コラム「スポーツで健康ライフ」第22回
マラソン大会が冬に多いのはなぜ? ランニングで寒い季節を乗り越えよう
今回はその理由と、冬場にランニングをする際に気をつけたいポイントをご紹介します。

理由その1:より安全に走ることができる
マラソン大会が冬場に多く開催されるひとつ目の理由は、夏場に比べて「暑さ」による健康リスクが低いことにあります。気温や湿度が高く日差しも強い夏場は熱中症のリスクが高まるだけでなく、汗をかきやすいため冬場の半分程度の運動量でも脱水症状を招くことがあると言われています。
また、夏場の紫外線量は冬場の2倍近くになることも、屋外を長時間走るランナーにとって健康リスクとなります。
つまり、夏より冬のほうがより安全にマラソンやランニングを楽しむことができると言えるのです。
理由その2:筋持久力アップや脂肪燃焼の効果が得やすい
2つ目の理由は、冬は持久系の筋肉増強に適した季節であることです。
マラソンやランニングは長時間にわたって力を発揮することが求められる「持久系」の運動に分類されますが、皮膚温度の低下時、つまり外気温が低いときのほうがより効率的に筋持久力を向上させることができると言われています。
また、脂肪燃焼効果のあるホルモンは寒さに刺激されて分泌されるという研究報告もあり、寒い季節に運動することはダイエットにも効果的と考えられます。
冬場のマラソン・ランニングの注意点
「暑さ」によるリスクが軽減される一方で、寒い季節だからこそ気をつけたいポイントもいくつかあります。防寒対策はもちろんのこと、次の点にも注意してください。
血圧の上昇に注意
暖かい室内から寒い外へ出ると血管が収縮して血圧が上昇し、いわゆる「ヒートショック」が起こりやすくなります。寒い冬の朝はとくに、気温や気圧などの急激な変化に伴って心臓への負荷も起こりやすいので、起床直後などを避けて血圧や体温が安定してから走るようにしましょう。また、準備体操などしっかりとウォーミングアップすることも忘れずに。
脱水症状に注意
夏より汗をかかないことから冬は脱水症状のリスクが下がる一方、油断という落とし穴が潜んでいます。体内の水分は汗だけでなく皮膚の表面や呼気からも奪われていますが、汗をかかないため喉の渇きに気付きづらく、無自覚のまま脱水症状が進んでしまうことがあります。走る前にコップ1杯の水を飲むとともに、意識的な水分補給を心がけましょう。
休けい時や運動後の冷えに注意
走っている最中は体芯温度が高まるため寒さに対して抵抗がありますが、寒い季節は運動後や休けい時などに急速に身体が冷えてしまいます。とくに、汗で衣服が濡れていると、急激に体温が奪われて低体温症の恐れも出てきます。ウインドブレーカーや手袋、ネックウォーマーなどで防寒対策をするほか、運動後のクールダウンは暖かい室内で行うことをおすすめします。
冬だからこその「走る」メリットをモチベーションに、まずはジョギングから走る習慣づくりをはじめてみませんか。