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コラム「スポーツで健康ライフ」第5回

寒い冬こそ身体を動かして、運動不足と肥満を解消しよう

寒い季節は外出したり身体を動かしたりすることも億劫になり、運動不足になりがちです。身体を動かす機会が減るうえに、忘年会や新年会、家族や親戚が集まるお正月など会食の機会が増えるため、肥満のリスクはどうしても上がってしまいます。
しかし、気温が低い冬は基礎代謝が高くなると言われ、じつはダイエットに適した季節なのです。そこで今回は、冬場に運動するメリットや注意点、寒い季節でも取り組みやすい運動不足解消法をご紹介します。

基礎代謝は一般的に、夏に低く冬に高いとされています。基礎代謝とは安静にしている状態でのエネルギー代謝量のことで、24時間相当の総エネルギー消費量のうち、基礎代謝量は約60%を占めます。
気温の低い環境下では、より多くの熱を身体がつくり出そうとするため自然と基礎代謝が高くなるといわれ、エネルギーを消費しやすい身体づくりの効率もアップ。また、冬は寒さによって血管が収縮して血流が低下しやすくなりますが、運動することは血行の促進にも役立ち、冷え性の改善も期待できます。

寒い冬こそ身体を動かして、運動不足と肥満を解消しよう

冬場に運動するメリット

  • 基礎代謝が向上しやすく、痩せやすい身体づくりもしやすい
  • 「布団やこたつから出たくない」など、だらけた気持ちや生活を切り替えるスイッチになる
  • 寒さによる血管の収縮や血流低下、血行不良、身体の冷えなどの防止・改善が期待できる

ただし、冬の運動にはいくつか注意点があります。
冬は寒さで血管が収縮して血圧が上がりやすくなり心臓への負担が大きくなるほか、筋肉も収縮して硬くなり、柔軟性が低下するため筋肉や靭帯、腱などの損傷も起こしやすくなります。次のようなポイントに注意して、無理せず楽しく身体を動かしましょう。

冬場の運動の注意点

  • 身体への寒冷刺激の影響をできるだけ抑える
    気温の変動が少ない屋内で運動する、屋外で運動する際は朝・夜の冷え込む時間は避ける、できるだけ日中の日が射す暖かい時間を選択して十分に防寒するなど、寒さ対策を工夫しましょう
  • 準備運動は普段より念入りに
    ストレッチや体操などの準備運動をしっかりとおこない、身体を温めて筋肉の柔軟性を確保することが大切です
  • こまめな水分補給を忘れずに
    空気の乾燥する冬は身体の水分が失われやすい一方、夏場に比べて汗をかきにくいので水分補給への意識が低くなりがち。とくに高齢者や高血圧などの持病がある人は脱水を起こしやすくなるため、水分補給を心がけましょう
  • 身体を冷やさないように注意
    気温の低いなか、汗で湿った衣服を着たままにしていると、体熱が奪われて身体を冷やす原因になります。汗をこまめに拭き、吸汗速乾素材の衣服を着用するなどして身体を冷やさないように注意しましょう

「それでもやっぱり冬場は運動したくない」という人は、日常生活のなかにちょっとしたエクササイズを取り入れることから始めてみてはいかがでしょうか。

すきま時間を使って運動不足を解消

  • CMの間にストレッチ
    テレビ番組の合間に流れるCMの時間は数分程度。この時間を使って腹筋やストレッチをすることを習慣づけてみましょう
  • クッションや椅子の代わりにバランスボールを
    テレビを見ている時間やパソコンに向かっている時間も、クッションや椅子をバランスボールに置き換えることで立派な運動時間になります
  • 掃除しながらズボラ筋トレ
    掃除機やお掃除ワイパーをかけるとき、使っている身体の筋肉を意識するだけでも「ながら運動」の効果があります
  • エレベーターはなるべく使わず階段を
    階段の上り下りは、平坦な場所を歩くことに比べておよそ3倍のエネルギーを使うといわれています。膝への負担などもあるため、頑張りすぎず、できる範囲でチャレンジしてみましょう

 

また、毎日の入浴にひと工夫加えることでも、効率よくカロリーを消費することができます。運動習慣と併せて、ぜひ試してみてください。

高温反復入浴法で効率よくカロリー消費

高温反復入浴法とは、熱めのお湯をはった湯舟に5分間つかったあと、湯船から出て3分間休憩し、再び湯舟につかることを繰り返す入浴方法のことです。
およそ20分間の入浴でジョギング1時間分に相当する300〜400kcalを消費することができるといわれています。

高温反復入浴のやり方
  • 湯舟に40~43℃のお湯をためる
  • 5分間、肩までお湯につかる
  • 湯船から出て3分休憩し、再びお湯に5分間つかる
  • 5分間の入浴と3分間の休憩を合計20分程度くり返す

3分間の休憩はおおよその目安とし、少し長めにとって水分補給をしたり、体や髪を洗ったりしながら自分のペースでおこないましょう。のぼせて気分が悪くなったり湯冷めして風邪をひいたりしては本末転倒なので、くれぐれも無理は禁物です。

健康的な毎日を送るためには、適度な運動は欠かせないポイントのひとつです。寒くて動きたくない冬でも、生活習慣を見直して意識をちょっと変えるだけで、運動不足の解消や肥満のリスク軽減につなげることができます。

 

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