コラム「スポーツで健康ライフ」第21回

茨城で楽しむ山歩き。はじめてみよう、トレッキング

ひとくちにトレッキングと言っても、岩場を登ったり小川を渡ったりしながら何時間も歩くハードなものから、山間の遊歩道などを数キロ歩く気軽なものまでさまざまです。今回は、初心者や家族連れでも安心して楽しめるような比較的難易度の低いスポットをピックアップしてご紹介するとともに、トレッキングに必要な準備についてもご紹介します。

トレッキングとは、登山とは違い、山や森、川辺など自然豊かなフィールドを歩くアウトドア・アクティビティのひとつです。起伏のある場所を歩くことで体力づくりや健康維持の効果も期待でき、美しい自然や新鮮な空気を全身で感じる体験は気持ちのリフレッシュにもぴったりです。
茨城県には日本百名山のひとつである筑波山をはじめとする山々や、あのOkukuji「X」の舞台にもなった「常陸国ロングトレイル」、渓流沿いのハイキングコースなど、初心者でもトレッキングを楽しみやすいスポットがたくさんあるので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

筑波山

トレッキングを安全に楽しむためには、行き先の計画を立て、必要な装備をそろえ、しっかりと準備することが大切です。装備というと大げさに感じるかもしれませんが、山道や河原など舗装されていない道を何kmも歩くことを考えれば、Tシャツとサンダルというわけにはいきませんよね。まずは、準備しておきたい基本装備をご紹介します。

揃えておきたい基本装備

 

トレッキングシューズ

歩き慣れたスニーカーでも良いですが、ソール(底)が硬く足首が固定されるトレッキングシューズやハイキングシューズなら足の疲れやケガのリスク軽減につながります。くるぶしが隠れる程度の高さのある「ミドルカット」は、ブーツほど重くないため扱いやすく、足首もサポートできるので初心者にもおすすめ。サイズは同じでも、メーカーによって形状や硬さが異なるため、試着して自分に合ったシューズを選びましょう。不安定な道を長く歩いてもつま先やかかとが擦れないよう、1~1.5センチほど余裕を持ち、防水性のある素材を選ぶとより安心です。

バックパック

手をふさいでしまう手提げバッグや、歩くときに揺れて安定しないショルダーバッグ、ウエストポーチなどはNG。できれば登山やトレッキング専用のバックパックがベターですが、最低でも背負えるリュックタイプのものを用意しましょう。背面や肩ひもにクッション性のあるものや、腰にもベルトがついているタイプならより歩きやすくなります。荷物の出し入れのしやすさや防水性も大切なポイントです。

帽子、サングラス、手袋

日射病対策等のために、帽子やサングラスはぜひ用意しておきたいアイテムです。岩場に手をついたり、枝をよけたりする際に手を保護してくれる手袋やグローブもあると安心です。

雨具、防寒具

山の天気は変わりやすいので、たとえ天気予報が晴れの日でもレインコートは忘れずに。上下に分かれたタイプのものが扱いやすくおすすめです。春先や秋口も冷え込むことがあるので、カイロやアルミ防寒シートを持っていくと安心です。

その他の携行品

最低限必要な荷物は、水筒やペットボトルの飲み物、軽食、タオル、絆創膏や虫除け・かゆみ止めなどの救急用品です。念のため、携帯トイレも忘れずに。行き先に応じて、山道の地図やコンパス、ライトなども用意しましょう。

服装は、すり傷や虫さされ、日焼けなどを防止するため、夏場でも長そで長ズボンが基本です。伸縮性があって動きやすく、防水性と透湿性を兼ね備えた機能性の高いウェアがおすすめです。

トレッキングイメージ

茨城県内のおすすめトレッキングスポット

八溝山(大子町)
  • 標高1,022mは、茨城県最高峰の山。山頂には、お城をかたどった展望台がある。
  • 中腹にある日輪寺から出発し、山頂へ登るハイキングコースは往復の所要時間約90分(登山口からの登山コースは往復4時間10分)。
  • 勾配はゆるやかで、岩道などのないハイキングコース。
花園渓谷(北茨城市)
  • 花園神社駐車場から出発するハイキングコースは片道約5km、所要時間60分。
  • ハイキングコースが整備されていて、上級者向けの沢歩きルートもある。
  • 渓谷には滝もあり、新緑や紅葉など季節ごとの景観を楽しめる。
助川山(日立市)
  • 標高327.9m。
  • 山頂までの距離は約4km、所要時間100分(助川山市民の森コース)。
  • 散策路が整備されていて、道中にトイレもあるので初心者におすすめ。
  • 山頂の展望台からは、日立市の全景と太平洋を一望することができる。
筑波山(つくば市、石岡市、桜川市)
  • 標高871m(男体山山頂)、877m(女体山山頂)。
  • 日本百名山のひとつ。御幸ヶ原コース、白雲橋コースなど、5種類の登山コースがある。
  • 筑波山神社とつつじヶ丘を往復する迎場コースは、勾配が穏やかで初心者におすすめ(片道1.6km、約60分)。
  • つつじヶ丘から女体山山頂へはロープウェイで6分。筑波山神社から男体山山頂へはケーブルカーで8分。
宝篋ほうきょう山(つくば市、土浦市)
  • 標高461m。
  • 全6コースの登山コースがあり、それぞれの景色や植物を楽しむことができる。
  • 宝篋山小田休憩所から山頂へ、往復約6km・3時間の極楽寺コースは初心者にも人気。

初心者のトレッキングは、無理せず10km以内から始めてみましょう。子どもと一緒に家族で楽しむ場合は、3〜5km程度の簡単なコースを選びましょう。
また、初めてのトレッキングにおすすめの季節は、草花や新緑が楽しめる春や初夏、そして紅葉が美しい秋です。熱中症のリスクが高まる夏場や、降雪や日没の早さなどが心配な冬場に比べて気候が安定していることもポイントです。
山歩きを楽しむためのアプリやWebサイト、フィールドガイドツアーなども活用して、大自然の中で心とからだの健康づくりを楽しんでみませんか。

 

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