loader image
コラム「スポーツで健康ライフ」第15回

最近運動してますか? 運動不足のリスクを知って、いきいきした毎日をはじめよう

ぽかぽかとした陽気の日が増え、草花が芽吹く春は新しいことを始めたくなる季節ですよね。「最近体力が落ちた気がする」「食生活は変わらないのに太ってきた」「健康診断の数値が悪かった」など、もやもやした気持ちや不安を抱えているなら、運動習慣を身につけて健康的な毎日をスタートさせてみませんか?
まずは運動不足のリスクを知り、なぜ運動習慣を身につけることが大切なのか、きちんと納得することでモチベーションをあげていきましょう。

SDGsの目標3に「すべての人に健康と福祉を」と掲げられているように、健康づくりは世界的な目標としても重要な課題です。人生100年時代といわれる現代だからこそ、健康寿命をのばすことはますます大切になっています。
健康づくりのためになぜ運動が大切と言われるのか、運動不足になるとどんな健康リスクにつながるのかを知ることから運動への意識づけをはじめましょう。

運動不足のリスクとは

運動不足のリスク

  • 体力や全身持久力が低下する
    筋肉量や心肺機能が低下し、階段を上っただけで息切れする、少しからだを動かしただけで疲れるなど、いきいきとした生活を送ることが難しくなります
  • 太りやすくなる
    消費エネルギーが減ることにより、肥満、とくに内臓脂肪型肥満が起きやすく、その影響で高血圧や糖尿病、脂質異常症など肥満に関連する疾病のリスクも高まります
  • 生活の質が低下する
    運動不足によって筋力が低下すると、立つ、歩くなどの移動能力が低下し、仕事や家事に励む、外出や趣味を楽しむなどの活動機会が減少して生活の質の低下につながります
  • 将来要介護になるリスクが高まる
    介護が必要となった人のおもな原因の上位にあがるのが、転倒骨折や関節疾患など運動不足と関わりが深いトラブルです
  • 生活習慣病のリスクが高まる
    摂取エネルギーが消費エネルギーよりも多くなることから、肥満や糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病になるリスクが高まります
  • 命に関わる疾患につながることも!
    生活習慣病の発症リスクが増すということは、心筋梗塞や脳卒中など命の危険がある疾患にもかかりやすくなるということ。つまり、運動不足は死亡リスクをも増大させてしまう恐れがあるのです

 

運動不足がさまざまな健康リスクにつながることは皆さんご存知だと思いますが、こうして改めて見てみると、運動不足は百害あって一利なしということを実感できるのではないでしょうか。
一方で、運動習慣を身につけることで次のような効果が期待できます。

運動習慣があることで期待できる効果

  • 健康の維持や増進
    くり返しになりますが、健康づくりのためにはやはり運動が大切です。ちなみに、厚労省の定義による「運動習慣のある人」とは、1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している人のことを指します
  • 肥満防止
    肥満の中には、見た目は比較的スリムでも筋肉量が少なく皮下脂肪や内臓脂肪が過剰といういわゆる「隠れ肥満」のケースもあります。いずれの肥満も、運動で消費カロリーを増やすことと、筋肉をつけて基礎代謝を高めることが効果的です
  • ストレス解消
    スポーツで汗を流した後に爽快感や達成感が得られたり、ぐっすり眠れたりした経験のある人も多いのではないでしょうか。適度な運動は気分転換やストレス解消、睡眠の質を向上など心の健康づくりにも最適です

 

厚生労働省が実施している「国民健康・栄養調査」によると、20歳から64歳までのいわゆる現役世代よりも65歳以上の世代のほうが運動習慣のある人の割合が高いことが報告されています。とくに、30代40代の世代は男女ともに運動習慣のある人の割合が平均値より低い傾向があり、これは仕事や子育てなどに忙しくて運動する時間がとれない人が多いことが理由のひとつと考えられます。
しかし、運動による健康増進は今日やって明日効果が得られるというものではないので、「忙しいから」「まだ若いから大丈夫」などと後回しにせずできるだけ若いうちから運動を習慣づけることが大切です。30代40代で運動習慣のない人は、このまま運動習慣のない生活を続けるか、体力の衰えなどに気づいた時点で運動習慣を取り入れるかで、将来の人生が大きく変わるかもしれません。

とくに、多くの人が体力の衰えを感じはじめる40代からは、日頃から適度な運動を心がけていないと基礎代謝が落ち、筋肉量も減少してしまいます。
ヒトの筋肉は17歳頃にピークを迎え、何もしないでいると40代でピーク時の70%にまで落ち込みます。そして、ヒトの筋肉の約70%は下半身にあるので、衰えるのは足腰からということになります。
筋肉には瞬発系の「速筋(白筋)」と持久系の「遅筋(赤筋)」の2種類があり、加齢とともに衰えるのは瞬発系の白筋です。そのため、40歳を過ぎたら白筋を鍛えることをより意識するのがおすすめです。もっとも手軽かつ効果的なのは「歩く」ことなので、ウォーキングをはじめたり、車移動を減らしたり、1日8,000歩を目指して歩く習慣をつけましょう。また、ちょっとした空き時間にスクワットをする、階段を使うようにするなどの習慣づけや意識づけをしていくことも効果的です。

ウォーキングのススメ

 

PageTop