コラム「スポーツで健康ライフ」第20回

すきま時間のエクササイズにもぴったり。なわとびで気軽に楽しく運動しよう

「なわとび」と聞いて、体育の時間に二重とびやあやとびを練習したことや、運動会で大なわとびを跳んだことを懐かしく思い出す方も多いのではないでしょうか。ちょっとした時間とスペースがあれば誰でも楽しむことのできるなわとびは、効率的に全身を鍛えることができる有酸素運動として注目を集めています。
今回は、なわとびをつかって自宅で気軽にできるトレーニングをご紹介します。

なわとびは、跳ぶ脚はもちろん、縄をまわす腕の筋肉もつかうことから全身を鍛えることができる有酸素運動と言われています。また、同じ有酸素運動であるランニングよりも運動強度が高く、同じ時間からだを動かした場合のカロリー消費効果も高いため時間対効果に優れていると言えます。
脂肪の燃焼や筋肉を引き締めることによるダイエット効果や、リズム感やバランス感覚を養うトレーニング効果も期待できるほか、血流を心臓に戻す役割があるふくらはぎの血管がなわとびによって刺激されることで新陳代謝が促進され、それによる美容効果も期待できます。

なわとびの準備と基本姿勢

なわとびの縄は一般的にロープと呼ばれ、スポーツ用品店のほか、スーパーマーケットの雑貨コーナーや100円ショップなどでも購入することができます。ワイヤーやビーズ製など競技用のロープもありますが、手軽なエクササイズとして楽しむなら、ビニール製や綿のロープなどで十分です。
素材よりも大切なのはロープの長さを調整することで、長すぎたり短すぎたりすると脚に引っかかる原因となり、連続して跳ぶことが難しくなります。

  • ロープの長さ調整のポイント
    まわしたときに頭の10cm〜15cmくらい上を通るのがベスト。持ち手を握って直立し、足をそろえたままロープの真ん中を踏み、肘を脇につけて90度に曲げたときにロープがたるまず張った状態になる長さを目安に調整しましょう。
  • 姿勢は手の位置に注意!
    手の位置が離れていると回転させたときに円が崩れてまわしにくくなるため、脇を締めてからだに近い場所で縄をまわしましょう。

気軽にできるなわとびエクササイズ

なわとびに慣れていない方は、両足を揃えて1回ずつ跳ぶ「前跳び(前まわし)」からはじめてみましょう。うまく跳べない場合は、まわしたロープをいったん足元で止め、その上をぴょんと跳び越える動作を繰り返して感覚をつかんでいきましょう。

10分チャレンジ

まずは、前跳び50回を5セット跳ぶことを目標に。前跳びに慣れてきたら、脚を交互に高く上げて跳ぶ「もも上げジャンプ」にもチャレンジしてみましょう。

  1. 前跳びで50回跳ぶ
  2. 15〜30秒ほどの休憩をはさみ、50回を5セット繰り返す
  3. もも上げジャンプも同様に、休憩をはさみながら50回を5セット繰り返す

各5セットできるようになったら、前跳び、もも上げジャンプをそれぞれ5分間連続で跳ぶことを目標に10分間ジャンプにチャレンジしてみましょう。ジャンプの回数や体重などによって個人差はありますが、なわとび10分間の消費カロリーは約100kcalと言われています。

2回とび

ロープを1回まわす間に、2回ジャンプします。細かくジャンプすることでリズム感のトレーニングにもなります。ゆっくりとまわすのがコツで、慣れてきたら2回、3回と跳ぶ回数を増やしてみてください。

  1. 前跳びで1回跳ぶ
  2. ロープをまわしながら、ロープが戻ってくる前に、その場で1回跳ぶ
  3. ロープを跳び越える最初のジャンプを「イチ」、ロープなしで跳ぶ2回めのジャンプを「ニ」として、ロープをまわしながら、「イチ、ニ」「イチ、ニ」とテンポよく跳ぶ

10回を1セットとして、1日3セット、週に2〜3回を目安に続けてみましょう。

スキーとび

テンポよく跳ぶことに慣れてきたら、左右の動きを加えてみましょう。体幹を鍛えることができ、お腹まわりのシェイプアップにもおすすめです。

  1. 前跳びをする
  2. そのとき、右方向へ着地するイメージでジャンプする
  3. 次のジャンプは、左方向へジャンプする

腰から上はなるべく左右に動かさず、スキーヤーのように脚だけを左右に移動させるイメージです。左右のジャンプ計10回を1セットとして、1日3セット、週に2〜3回を目安に続けてみましょう。

なわとびは跳び方によってさまざまな効果が期待でき、長時間続けて跳ぶと全身や筋肉の持久力強化、できるだけ早く跳ぶクイック跳びはスピード強化、二重跳びのように瞬間的に高く跳ぶことでパワー強化につながります。また、集中力の向上や気持ちの切り替えにも役立つとして、メンタル強化を目的になわとびを日々のトレーニングに取り入れているアスリートもいるそうです。
なわとびは全身を使うスポーツですが、なかでも多く使うのは、ふくらはぎ、すね、太もも、お尻、股関節の付け根、肩周り、前腕などの筋肉です。筋肉痛やケガを防ぐために、トレーニング前後にはこれらの筋肉のストレッチをしっかりするとともに、次のポイントを意識しながらトレーニングをおこなってください。

なわとびでケガをしないための注意点

  • アキレス腱のばしなど、ウォーミングアップをしっかりとおこなう
  • 着地をするとき、ひざが内側に入っていると痛めやすいため、つま先とひざは常に同じ向きになるよう意識する
  • コンクリートの上など硬い地面はできるだけ避け、着地のときにひざを曲げて衝撃を吸収する跳び方を意識する
  • 10〜15分おきに、かならず休憩や水分補給をおこなう

また、女性がなわとびトレーニングをする際はスポーツブラを着用することをおすすめします。これは、普通の下着だと跳んだときの衝撃を吸収しきれず、バストのかたちをキープする役割をもつクーパー靭帯がのびてしまってバストが垂れる原因になるためです。

ロープが1本あれば始めることができ、広いスペースも必要としないなわとびは、自宅でのトレーニングやリフレッシュにもぴったりです。しかも、運動強度はランニングよりも高く、効率よく筋力アップやカロリー消費を目指すことができます。
アクロバティックな跳び方や高速跳びなどいろいろな技を紹介する動画も増えているので、親子でチャレンジしたり、スキルを磨いてレベルアップを目指したり、自分のペースでなわとびトレーニングを楽しんでください。

 

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