コラム「スポーツで健康ライフ」第19回

健康なからだづくりには、睡眠が大切です

健康維持の三要素はずばり、食事・睡眠・運動と言われています。この3つの要素はお互いが関連しあっているため、どれかひとつだけを意識すれば良いというものではありません。
健康とは、心も体も完全に良好で、社会的にも満たされた状態を指します。今回は、健康維持に必要な三要素のバランスにおいてすべての指標となる「睡眠」のポイントをご紹介します。

健康維持の三要素である食事・睡眠・運動はいずれも重要で、ひとつでも欠けるとほかの要素に悪影響を及ぼします。なかでも、良い睡眠がとれるかどうかは3つのバランスに左右されるため、睡眠は健康維持における大切な指標となります。
睡眠には、脳を休めて疲れを取り除き、細胞を再生・修復する、気分やストレスをリセットするなどの役割があり、ぐっすり眠ることは心と体の健康にとって大切です。

日本人の睡眠時間は世界的にみても少ないと言われており、欧米諸国や中国などの平均睡眠時間が8.5〜9時間であるのに対して日本は約7.3時間というデータもあります。慢性的な睡眠不足は昼間の眠気やだるさを引き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが知られており、うつ病・肥満・糖尿病・循環器疾患を発症するリスクが高くなります。
また、睡眠は量(時間)だけでなく「質」も大切です。たとえ十分に睡眠時間が確保できない場合でも、脳や身体の休養を主とするノンレム睡眠(深い眠り)の時間を増やすことが質の良い眠りにつながります。
健康維持のための睡眠は、次のことを心がけましょう。

快眠のポイント

  • 1日6時間以上の睡眠時間をとる
  • 就寝前は、喫煙やカフェイン摂取を控える
  • 就寝1~2時間前からパソコンやスマートフォンを使用を控える
  • 朝起きたら日光を浴びる
  • 昼寝の時間は30分以内にする

日中に体を動かして適度な疲れを感じると寝つきが良くなり、夜中に目を覚ます頻度が少なくなると言われるため、快眠のためには運動習慣も大切です。ただし、激しい運動や就寝直前の運動は体を興奮させ、かえって眠れなくなるケースもあるため頑張りすぎは禁物です。快眠のために体を動かすのであれば、運動は夕方から就寝時間の3時間前までに終えるようにし、30分程度のジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を習慣づけると良いでしょう。

楽しくからだを動かして、「フレイル」を防ごう

また、眠りのスイッチを入れる入眠ルーティンを取り入れることもおすすめです。
ここでは、眠る前に布団の中でできる深呼吸と足首の曲げ伸ばしをご紹介します。ゆっくりと深呼吸することで心と体がリラックスした状態になり、睡眠の準備に移っていきます。

入眠のためのストレッチ

  • 鼻からゆっくり息を吸いながら、足首をぎゅうっと手前に曲げる
  • 息を吐きながら足首を楽な位置まで戻す

3秒〜5秒程度かけてゆっくりと深呼吸をしながらこの動作を10回ほど行うことが目安です。足首を曲げ伸ばしする動作は全身の血流を改善して寝つきを良くするのに効果的で、深呼吸は緊張や興奮をやわらげて眠りにいざなってくれます。

質の良い睡眠のためには、食事も大切です。1日3食規則正しく食べると体内時計が整うため良い睡眠につながり、逆に不規則だと睡眠途中で目が覚めてしまう原因にもなります。

快眠のための食事のポイント

  • 朝食をとる
    就寝中に下がった体温が上昇し、脳を目覚めさせて内臓の働きを活発にします
  • 夕食は就寝3時間前までに済ませる
    夕食後3時間ほど経つと副交感神経が優位になり、リラックスして眠りやすくなります。一方、夕食の時間が遅いと交感神経が優位なまま床に入ることになるため、寝つきが悪かったり途中で目が覚めてしまったり、睡眠の質が下がりやすくなります

どうしても夕食時間が遅くなってしまう場合は、夕食を2回に分けて食べる「分食」を試してみましょう。夕方におにぎりやパンなどの炭水化物をとり、帰宅後の食事は糖質を控えて低脂肪のタンパク源や野菜を中心としたメニューを軽くとるようにすると睡眠への影響が少なくなります。

健康な毎日のためには、適度な運動と規則正しい食事、そして質の良い睡眠が大切です。この3要素はお互いに影響し合っていることを意識し、どれかひとつでも欠けることのないようバランスの良い生活を心がけていきましょう。

 

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