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コラム「スポーツで健康ライフ」第7回

なんとなく気分がもやもや… 5月病対策にもスポーツがおすすめ

新年度がはじまる春は、進学や就職などで環境が大きく変化することも多い季節です。慣れない生活や環境への緊張で張りつめていた気持ちがゴールデンウィークの連休で弛緩し、休み明けに「学校や会社へ行きたくない」「なんとなく体調が悪い」「集中できない」などの不調が生じることを「5月病」と呼びます。
今回は、おもにストレスが原因で起こる5月病について、おすすめの対処法や予防法をご紹介します。新生活をいきいきと過ごすための参考にしてください。

「5月病」は病院などで使われる正式な病名ではなく、医学的には「適応障害」や「うつ病」などと診断されることが多いものです。
5月病は誰でもかかる可能性があり、なかでも新入生や新社会人に多く見られる症状です。これは、受験や就職などの大きな目標を達成したことで「燃え尽き症候群」のような状態になっていたり、急激な環境の変化にうまく馴染めなかったり、心が不安定になっていることが理由と考えられます。
また、几帳面でまじめな人や責任感が強い人ほどかかりやすい傾向にあり、ひとりで抱え込んで頑張りすぎてしまうことでさらに症状を悪化させてしまうケースもあります。

5月病対策にもスポーツがおすすめ

5月病は精神的なことが原因で起こるこころの病ですが、その症状はからだや行動にも現れます。次のような症状が出た場合は「気のせい」で済ませず、はやめにガス抜きなどの対策をすることが大切です。

こんな症状が出たらご注意を

身体的な症状
  • 眠れない、熟睡感がない(不眠の症状)
  • 食欲がない
  • めまいや動悸がする
精神的な症状
  • なんとなく気分が落ち込む、やる気がでない(抑うつ感)
  • 注意力や判断力の低下
  • 不安感や焦燥感、イライラ感など
行動の症状
  • 学校や会社を休む
  • 家に引きこもる

最初は「なんとなく気分が晴れない」程度の軽い症状でも、放っておくと次第に落ち込みが強くなり、いわゆる「うつ」へつながってしまうこともあります。本人に自覚症状がなくても、家族や第三者から見て「ぼうっとしていてミスが増えた」「遅刻や欠勤・欠席が目立つ」「対人関係でのトラブルが増えた」など異変を感じたときはさりげなく声をかけて、悩みや不安がないか相談にのってあげることをおすすめします。

おすすめの5月病予防法

  • 積極的に運動しよう
    精神的な疲労は、運動によって「肉体的な疲労」に変換できるといわれています。「なんだか身体が重い」「疲れがぬけない」という感覚が何日も続くようならば、むしろ積極的に身体を動かして「肉体的な疲労」を味わってみましょう。こころの疲労と違い、肉体疲労はたいていの場合少し休めば回復するため、心身の疲れがすっきり解消するかもしれません
  • 身体のリズムを整えよう
    不規則な生活は、人間が本来持っている体内時計のリズムを乱してしまいます。体内時計が狂うと、身体の健康だけでなくこころの健康にも良くない影響があらわれるため、規則正しい生活を心がけましょう。当然ですが、睡眠や食生活もきちんと整えましょう
  • 好きなことを楽しもう
    これまで続けてきた趣味がある人は、環境の変化に関わらずぜひ継続することをおすすめします。アクティブに身体を動かす趣味でなくても、ゲームや料理などなんでも構いません。好きなものを食べることも気持ちを上げることにつながるので、好きなことや好きなものを存分に楽しみましょう
  • 仲間を見つけよう
    環境や立場の変化は、ときに強いストレスにつながることがあります。同期の新人仲間や同世代の友人など、自分と近い境遇の人は同じようなストレスを抱えていることが多いものです。そんな仲間を見つけて悩みを共有したり愚痴を言い合ったりすれば、ストレスをすっきり解消できるはずです

5月病を予防するためには、ストレスをためないことがいちばんです。運動でからだを動かすことは気分のリフレッシュだけでなく健康づくりにも役立つので、この機会にぜひウォーキングや筋トレなどの運動習慣を身につけてみてはいかがでしょうか。

はやめのセルフメンテナンスが効果的

  • 頑張りすぎない
    最初から完璧にこなそうとする、ぜんぶ自分でやろうとするなど、頑張りすぎて自分にプレッシャーを与えることはやめましょう。「最初はできなくて当たり前」くらいの気持ちで、一歩ずつ成長を目指しましょう
  • 栄養バランスが取れた食事を心がける
    食生活は健康の基本です。栄養バランスだけでなく、3食きちんと食べる、決まった時間に食事をするなど食生活全体を整えましょう
  • 睡眠の質を上げる
    寝不足が続くと集中力が低下し、ミスを起こして落ち込んでしまう…という悪循環につながることも。生活リズムや寝室の環境を整えて質の良い睡眠を手に入れましょう
  • 適度な運動を習慣づける
    「なんとなく気分が晴れない」「熱もないのにからだがだるい」と感じたときこそ運動がおすすめ。車通勤を自転車に変えたり、エレベーターでなく階段を使ったり、日常の場面に運動の機会を加えてみるのも手です

 

5月病は誰にでも起こり得る病気ですが、日常的なセルフケアによって予防することや、症状を和らげることができます。まずは「ストレスをためこまない」ことを心がけ、充実した新生活を楽しんでください。

 

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