コラム「スポーツで健康ライフ」第12回
風邪予防にも適度な運動が大切です
寒さだけで風邪をひくことはありませんが、冬場は空気の乾燥や温度変化など風邪の因子となる現象が起こりやすくなります。そのため、冬イコール風邪をひきやすい季節というイメージが定着したと考えられます。
免疫力と運動習慣には密接な関係があり、免疫力を高く保つためには「栄養バランスの良い食事」と「質の良い睡眠」、そして「適度な運動」が欠かせないことは以前にも本コラムでご紹介しました。
適度な運動とは、汗を軽くかき、心拍数が少し上がる程度の軽い活動を30分以上継続することが目安です。筋肉を動かすことによって体温が上がり、血行が良くなることで全身に酸素や栄養が行き届くようになるため、免疫力が上がって風邪に対する抵抗力も高まると言えるのです。
体内に侵入した”敵”をやっつける免疫機能のエースであるNK(ナチュラルキラー)細胞は、ちょっとした生活習慣の乱れで活性が変動しやすいという性質を持っており、運動習慣もその要因のひとつです。つまり、運動不足になるとNK細胞が活発に働かなくなってしまい、風邪などの感染症にかかりやすくなるのです。適度な運動を継続して習慣づけ、NK細胞の活性を促しましょう。
風邪への抵抗力を高める適度な運動
ウォーキングなどの有酸素運動と、軽い筋トレや体操など無理のない筋肉運動を組み合わせると、筋肉が増強されて血流が良くなり、より効率的な免疫力アップが期待できます。また、消費エネルギーのアップ、心肺機能の強化、骨や血液の健康促進なども期待できることから、風邪予防はもちろん、生活習慣病の予防にも役立ちます。
- 日常生活では、毎日60分間積極的に身体を動かす
歩く、犬の散歩をする、掃除をする、自転車に乗る、速歩きをするなど - さらに週2回以上、1回30分以上の息が少しはずむ程度の運動をする
軽い筋トレ・ボウリング・ウォーキング・ラジオ体操など
風邪予防に大切な栄養バランスの良い食事
「栄養バランスの良い食事」「質の良い睡眠」をとることも、風邪予防のポイントです。
免疫力を高めるためには、食事でしっかりと栄養素を摂ることが大切です。とくに、風邪予防に欠かせないのはたんぱく質とビタミンで、これらの栄養素を多く含む食事をすること、そして3食きちんと食べることが基本です。
健康なからだづくりに必要な質の良い睡眠
睡眠には、日中の活動で疲れた脳や体を休養させて疲労を回復する働きがあります。また、睡眠中は、傷ついた細胞を修復したり、ウイルスなどを退治する免疫物質をつくったりと、体のメンテナンスもおこなわれているため、質の良い睡眠は健康なからだづくりにとても大切です。
他にも気をつけたい基本的な風邪対策
基本的な風邪対策である以下のポイントにも気をつけつつ、食事、睡眠、そして運動を大切にするよう心がけて風邪に負けない健やかなからだづくりを目指しましょう。
- こまめな手洗いやアルコール消毒、うがいを心がける
- マスクを着用して、鼻や口からウイルスが侵入することを防ぐ
- 風邪の症状を訴えている人に近づかない、人混みはできるだけ避ける
- こまめに水分補給して、鼻や口の粘膜が乾燥することを防ぐ