9年ぶりに史上最多9回目のJ1リーグ優勝を飾った鹿島アントラーズ特別インタビュー

鹿島アントラーズインタビュー

“常勝軍団”の異名を持つJ1・鹿島アントラーズは、23勝7分8敗の成績で9年ぶり、史上最多9回目の優勝を果たしました。鬼木達新監督のもと、攻守両面でアグレッシブなサッカーと長年の勝者のメンタリティを融合させ、前人未到の国内タイトル20冠目を獲得。勝ち点76、ホームゲームの年間入場者数520,615名も歴代最多を更新しました。
個人タイトルでは、早川友基選手が年間MVP(GKとしてはクラブ史上初)に輝き、エースFWレオ・セアラ選手が年間最優秀ゴール賞と得点王をJリーグ史上初めてダブル受賞しました。
さらに下部組織も躍進。「Jユースカップ」「クラブユース選手権(U-18)」に優勝し、高円宮杯プレミアリーグファイナルも制し、クラブユースチームとして史上初の高校年代主要大会での年間3冠を達成。
2025シーズンのクラブスローガン「Football Dream ONE」をトップからアカデミーまでクラブ一丸となって達成し、日本サッカー界に古豪の矜持を示した伝説的な一年となりました。
そんな偉業を成し遂げた小泉文明社長、鬼木達監督、早川友基選手にお話をうかがいました。
(令和7年12月10日 茨城県庁にて)

鹿島アントラーズインタビュー

まず、茨城県のサッカーファンにリーグ優勝のメッセージをお願いします。

小泉社長
やはり1番に思うのは、タイトル獲得を長らく待たせてしまったということです。私たちは本当に多くのサポートをいただいて成り立っていると思っていますので、ある意味、恩返しができたと感じています。本当に今年は多くの方々にスタジアムへ来ていただいたのですが、じゃあ毎試合が満員だったかというと、そうではありませんでした。私たちもクラブとして一生懸命、皆さんに魅力を届けられるよう、スタジアムが毎試合、満員になるように経営努力をしていきます。また2026年も茨城県民の方にも楽しんでいただきたいと思います。

鬼木監督
自分たちは茨城県をスポーツの力で盛り上げることができる仕事をしていますので、それをしっかり誇りに思って、今後も皆さんに非日常を味わってもらえるぐらい、熱い戦いを続けていきたいです。それをより伝えるためにも、より多くの方々にスタジアムに足を運んでいただきたいです。やはり「生」でみる選手たちの迫力は、画面越しと比べると多少なりとも違いますので、ぜひこれからも、熱い声援をよろしくお願いいたします。

早川選手
長らくタイトルから遠ざかっていた中、今年は悲願のタイトル獲得をできました。茨城県の皆さんに喜んでいただけるのは非常に嬉しいですし、ここからまたアントラーズとしてたくさんのタイトルを獲っていけるように頑張っていきたいです。また、このような結果を見て、スタジアムに足を運んでいただき、毎試合スタジアムの雰囲気を作ってもらえると、プレイヤーとしてもすごく嬉しいですし、やりがいを感じます。ぜひ鹿島に興味を持って、スタジアムに足を運んでいただきたいと思います。

鹿島アントラーズインタビュー

同じ茨城のクラブである水戸ホーリーホックがJ1に昇格しました。来年の茨城ダービーは、県内のサッカーファンにたまらない試合となります。

鬼木監督
Jリーグの開幕戦になるんじゃないかと予想していますけれど(笑)。そうなるぐらい盛り上がるようなゲームになると思っています。自分たちとしては、一緒にJリーグを盛り上げる仲間であり、ライバル。そういう想いで茨城ダービーを戦うことで、県民の皆さんに対戦を楽しんでもらえるように盛り上げられたらと思っています。ずっとJ1で戦っているアントラーズとして、プライドを持って戦っていきたいですし、とにかく面白いゲームをしたいと思っています。

鹿島アントラーズインタビュー

2025シーズン、クラブ史上最多の年間入場者数を更新しました。鹿島アントラーズの人気は、まさに最高潮の盛り上がりを見せています。

早川選手
特にシーズン終盤は、ほぼ満員のスタジアムの中で試合をやることができました。残り5試合を切り、優勝が懸かっていた中、アウェイの試合も多くありましたが、もしかしたらホームよりも大きいのではと感じるくらいの大きな声援を背中から感じていました。苦しい時間が何度もありましたが、そういった時にサポーターの皆さんからすごく大きな声援をいただきました。そのお陰であと1歩が出ることもあったり、『最後、これを抑えられたら勝てる!』という試合をそういった声援とともに戦えたからこそ、今回の結果となったと思っています。自分たちもこれを続けていかなければいけないと思いますし、見ている方にはさらに後押ししていただけたら嬉しく思います。

鬼木監督
自分は就任1年目ですけれども、(川崎フロンターレの監督時代に)何度もメルカリスタジアムに来ました。本当に迫力があって、1番嫌なスタジアムだったと記憶しています。それが今度は自分の味方になり、選手たちを後押ししてくれました。こんな心強いことはなくて、特に最終戦のゲームは、選手がピッチに出ていく瞬間、すごく力を与えてくれた実感もありました。選手がロッカールームからピッチに出る時、『大きな仲間がいる』と自信を持って言えるぐらいでした。最後、自分たちは声援に背中を押されましたし、相手チームは声援に怯んだと思います。そのぐらいピッチ内外みんなで戦っているスタジアムだと思いますので、心強いの一言しかないですね。2026シーズン、自分たちも成長していきますけども、サポーターの方もどんな時も一緒に戦って欲しいと思います。

トップチームだけでなく、下部組織のユースもタイトルを次々と獲得し、未来の鹿島の選手、ひいては日本サッカー界を背負うような選手が茨城の地で育っています。クラブ全体で「Football Dream ONE」を証明しました。

小泉社長
「Jリーグユース選手権大会」、「日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会」、「高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグファイナル」のユース世代3大タイトル制覇は、過去1度も達成されていませんでしたが、今年は鹿島ユースが史上初の3冠を達成しました。ユースの指導者は鹿島OBたちが牽引してくれていますので、テクニカルな面とハートの面、両方を教えてくれていると思っています。ユースの世代が活躍し、トップチームに徐々に入り、今いる選手たちを刺激するサイクルでいきたいと思っています。これからも引き続き、若い世代に投資を続けていきたいと思っています。

鹿島アントラーズインタビュー

鬼木監督
鹿島に戻ってきて驚いたのは、ユースをはじめ、育成年代の選手たちが、非常に力を持っているところです。クラブが先の見えないものに投資することは、本当難しいことだと思いますけれど、非常に好例です。先行投資することで、やはり若い世代が伸びてくる。さまざまな環境が整備されていくと、「これだけやってもらっているのだから、やらなきゃ」と若い時からプロへの意識は強くなると思います。またそういった中で本当に色んな経験あるコーチ陣がアントラーズの歴史を伝えながら、なおかつ、現代サッカーをしっかりと取り入れながら戦ってくれている。2025シーズンも多くの選手がトップチームに上がり、練習もかなりの人数がユースから参加しています。トップの選手たちと遜色なくトレーニングもできていますし、もうプロでもやっていけるんじゃないかという選手が非常に多くいまして、楽しみでしかない世代です。だからこそ大事にしていきたいと思っています。

早川選手
選手の立場としては、若い選手の突き上げやユース年代の選手がトップに上がり、自分たちと競争することは、非常にいいことだと思います。小泉社長からしたら、自分がいなくてもいいような若い選手が出てくることを、きっと願ってると思うので(笑)。それぐらい鹿島は、ジュニアから良い環境を作ることに力を入れていると思います。環境に少し踏み込んだ話をすると、小さい頃からトップチームの近くでトレーニングしてることは、正直、何にも代えがたいものだと思います。自分は育成年代の頃、別のクラブに所属していましたが、そういった上の選手を見て、「自分もこうやってなってやろう」という思いを常に抱いていました。ジュニアユース、ユースと1個ずつ上がっていくと思いますが、やはりそんなハード面が後に大きく影響していくと思います。ホームゲームのボールボーイはジュニアユースやユースがやっていますが、プロのゲームを間近で見られる環境を味わうこともそうですし、レベルの高い選手たちがたくさん集まり、その中で競争し合い、トップに行けるかどうかの競い合いをすることは、メンタルも含めて色んな面で必ず成長を促してくれると思います。クラブは本当にたくさん投資してくださってると思うので、選手としてはそれに負けないようにもちろん頑張りますし、そういったサイクルが出来上がるのが理想的だと思っています。

2026シーズンへの課題とは?

早川選手
プレイヤー目線としては、2025シーズンは“勝って成長する”ことを掲げてやっていましたが、前半は苦しい試合やなかなか勝ち切れない試合も何試合かありました。本当にまだまだ成長していかなきゃいけないチームだと思います。更に精度や質を高めて、試合の内容によりこだわっていけるように、チーム一丸となって戦っていきたいと思います。

鬼木監督
より主導権を握り、より得点を多く取る課題を大事にしていきたいと思っています。やはり自分自身、サッカーの魅力をより多くの人に伝えたい思いがあります。それこそハヤ(早川選手)の活躍がないぐらい、より多くのゴールを取って勝利するサッカーをしたいです。もちろんハヤが(シュートを)止めることは、みんなも喜んでくれるのですが、それ以上にファンサポーターの方々と喜ぶ回数を増やしたいと思っています。

鹿島アントラーズインタビュー

小泉社長
2026年はJリーグのシーズン移行に伴い、ハーフシーズン(明治安田J1百年構想リーグ)があります。8月にJリーグがスタートし、レギュレーションも大きく変わっていきますので、少し戦い方も変わってくるのではないかと思います。そのシーズン移行への準備と同じタイミングで、今度はACL(AFCチャンピオンズリーグエリート)が始まりますので、アジアに向けた戦いをクラブ全体で準備していかなければならないと思っています。2018年にタイトルを獲得したACLを突破すれば、クラブワールドカップという世界にチャレンジする機会もあります。少し長い目線で言うと、それぐらいまで含めて、クラブ全体の準備をしていきたいと思っています。

2026シーズンの目標を教えてください。

鬼木監督
2026シーズンのハーフシーズンは昇降格もないシーズンになりますが、だからこそ、そういうシーズンにもしっかりと勝利、優勝にこだわってやっていきたいです。やはりその姿勢がないと、その先にも繋がっていかないと思っています。ハヤも言ってくれましたが、まだまだ成長過程のチームだと思います。優勝すると先へ先へと前のめりになるところもありますが、自分自身しっかりと地に足付けて、ゆっくり着実に力をつけていきたいと思っています。

早川選手
これからはJリーグ王者という目で見られると思いますけれど、正直、自分たちはまだ完成しきったチームではありません。王者だろうが、1試合1試合チャレンジャー。慢心することなく、自分たちが1試合1試合、成長して勝って、また次の試合に向かっていく。そのサイクルを常に求めていけば、また優勝を目指せるチームになる可能性も秘めている。その一員として戦っていきたいと思います。

鬼木おにきとおる

1974年千葉県生まれ。市立船橋高校卒業後、1993~1997年、1999年に中盤の選手として鹿島アントラーズで活躍。2007年から指導者に転向し、2017年から川崎フロンターレでJ初監督に就任すると、8年間で7冠のタイトルを獲得する快挙を達成。2025年シーズンから古巣・鹿島アントラーズのトップチーム監督となり、就任1年目でJ1リーグ優勝に導く。常勝を支えるマネジメント力や緻密で革新的な戦術による手腕を発揮し、Jリーグ史上初の2クラブでのJ1制覇を達成した。

早川はやかわ友基ともき

1999年神奈川県生まれ。ポジションはゴールキーパー。鹿島アントラーズ選手会長。横浜F・マリノスジュニアユース出身で、桐蔭学園高校、明治大学を経て、2021年から鹿島アントラーズに入団。守護神として驚異的なセーブを連発し、2025年は全38試合フル出場、日本代表A代表デビューを果たす。ゴールキーパーとして鹿島初、Jリーグ史上2人目となるJ1リーグ最優秀選手賞(MVP)を受賞する快挙を達成した。

小泉こいずみ文明ふみあき

1980年山梨県生まれ。早稲田大学商学部卒業後、大和証券SMBC、ミクシィ取締役執行役員CFOなどを歴任。2013年12月株式会社メルカリに参画し、2014年3月取締役、2017年4月取締役社長兼COO、2019年9月取締役会長就任。2019年8月より株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー代表取締役社長に就任。

 

2026年「明治安田J1百年構想リーグ」は、2月6日(金)開幕!

明治安田J1百年構想リーグは、2月から5月にかけて繰り広げられる、白熱のダービーマッチが多い「地域リーグラウンド」、5月末から6月にかけて順位が決まる「プレーオフラウンド」の2ラウンド制で開催されます。鹿島アントラーズは、2月7日(土)味の素スタジアムでのFC東京戦からスタート、メルカリスタジアムで開催される最初のホームゲームは、2月14日(土)の横浜F・マリノス戦となります。鹿島アントラーズをぜひ応援してください。

「明治安田J1百年構想リーグ」鹿島アントラーズ試合日程

 

関連リンク

鹿島アントラーズ情報
鹿島アントラーズ公式サイト

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